【プログラム】陸上自衛隊中部方面音楽隊 第27回室内楽演奏会
陸上自衛隊中部方面音楽隊 第27回室内楽演奏会 2014年3月20日(16:30開演) 伊丹アイフォニックホール メインホール |
特別企画第2弾 今年も挑戦 3時間を超えるリレーコンサート! 【演奏曲目】
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【出演】
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2月のベガホールでの室内楽演奏会に続いての室内楽の演奏会です。
こちらは毎年行われている室内楽の定期演奏会です。
今年も特別企画ということで、演奏時間3時間越え、途中の休憩時間も合わせると4時間という長丁場の演奏会でした。
開演時から1階席は満席とまではいかないまでも結構埋まっていたのですが、「どれぐらいが最後まで残っているんだろう……」とちらっと思ってしまったぴぎーさん、ヒドイですw
開始直後はほとんど人のいなかった2階席も3部が始まる頃には人の姿が見えたので、「会社勤めの人とかだった、やっぱり18時過ぎないと来られないよねぇ」とか「いい感じで席埋まってるやん」とか思って客席を眺めていたのですが、4部が始まったときには結構空席ができていたので、「みんな帰るの早っ!Σ( ̄□ ̄lll)!!」とびっくり。
4時間はキツかったですかね、やっぱり。
いつもは「観客に優しくない」演目が多いのですが、今回はわりと「観客に優しい」演目だったのではないかなぁと。
中間は一般的なイメージとしての室内楽からそう外れない、聴きやすい感じの曲が続きましたし、室内楽の演奏会としては珍しく、目立つパフォーマンスのついた演奏もいくつかあったので、聴きやすい、飽きさせないという意味では観客に優しい演奏会だったなと。
とはいえ観客に優しくても奏者には優しくない曲も多いのがいつもの室内楽定期です。
今年もおもしろい演奏がいろいろありましたよ。
オープニングは打楽器5重奏。
ベガの室内楽演奏会も同じ打楽器5重奏でしたが、 「水面に射す紅き影の波紋」はベガの「ティコティコ」とは対照的ないかにも現代曲ぽい曲です。
弦楽器の弓でマリンバやティンパニの上にのせたリンをこすったり、レインスティックと呼ばれる民族楽器が登場したりという、いろいろあって、癖があるといえばあるのですが、あくは強くないので現代曲に馴染みがない人でも大丈夫そうな曲です。
耳で聴いている分には木琴(マリンバ)と鉄琴(ヴィブラフォン)が対比になっているような気がするのですが、どうなのかなぁ。
耳はマリンバ≠「紅き影の波紋」だと認識していて、頭はマリンバも「紅き影の波紋」と認識しているというような感じで聴いていました。
頭に浮かんでくる光景は水面と波紋ばかりで、あとは水面に影を落とす木々の葉が少しと水面の向こうに見える空だったのですが、風とか空とかそんな感じなのかなぁ……いや、空はないか、さすがにあのナレーションから考えると。
でも風も違うような気がするのですよね。
とりあえずヴィブラフォンが「紅き影の波紋」なのは間違ってないと思うのですが、マリンバはなんだろう……と、わりと真剣に考えてしまったぴぎーさんでした。
あ、「こういう七面倒臭いことを考えながら音楽を聴いていて楽しいのか?」と思いましたね?
うん、楽しい。(笑)
もっとも、新しい曲限定で、ですけどね。
今回一番のびっくりは「胃腸薬の主題による4つの変奏曲」です。
まさか室内楽の演奏会でドリルが見られるとは思いませんでした。
クラッピングとか曲の前後や途中に小芝居風のものが入ることはありますが、「室内楽演奏会」上で1曲まるっと演技付きというのはわたしも初めてみました。
いやさすが中方音。
「胃腸薬の主題による4つの変奏曲」は胃腸薬=正露丸のコマーシャルでおなじみの旧軍の食事喇叭の旋律を用いた変奏曲です。
マルセル・ケンツビッチ氏はこういう冗談音楽みたいな曲をいくつも作曲されています。
曲は冗談みたいですが演奏の技巧難度は高かったりするのがケンツビッチ作品です。
プログラムには曲名しか書かれていませんが、各変奏にもちゃんとタイトルがついています。
主題:正露丸の行進
第1変奏:踊る正露丸
第2変奏:正露丸の点呼
第3変奏:恋をする正露丸
第4変奏:正露丸の戦い
終曲:勝利の歌
今回はこのタイトルどおりに演技が進んで行きます。
まずは迷彩服に鉄帽といでたちのらっぱ手が1人「食事喇叭」を吹きながら行進してきます。
吹いているのはらっぱ。
わ~い、らっぱー♥♥♥
……じゃなくて、らっぱなの?
らっぱでいいの?
このあとどーするんだろう?
と思っていたら、一緒に持ってきた大きな寸胴鍋の中からトランペットが。
その鍋、トランペットケースやったんかいっ!w
同じ格好の自衛官が更に4人登場してフォーメーションを組みながら第1変奏を演奏です。
「踊る正露丸」というわけですね。
続いて点呼。
原曲では点呼というにはなだらかすぎるぐらいの感じで「食事」のメロディーが流れていくのですが、ゴツゴツしたいかにも点呼のような演奏になっていたので「こう来たか」とクスっとしてしまいました。
点呼って滑らかにすべっていくけど、ゴツゴツした感じがありますものね。
そしてぴぎーさん、ここでやっとタイトルに沿ったストーリーになっていることに気がつきます。
おお、すげぇ!
点呼が済むと女性隊員がやってきて、切り株(?)に腰をおろすと読書を始めます。
らっぱ手の1人のがもじもじしはじめます。
どうやら恋に落ちたようです。
意を決してラブレターを渡そうとしたのですが、受け取り拒否以前にアウトオブ眼中であえなく玉砕。
地面にのの字を書きいじける彼を仲間が慰めます。
いじけている彼が突然お尻を押さえもぞもぞしだすと、仲間たちも次々とお尻をおさえだします。
1人が喇叭のマークがついたオレンジ色箱を取り出します。
「正露丸の戦い」の始まりです。
てゆーか、何と戦うんだ正露丸?!
……
……
下痢か。(^^;
そして正露丸は無事下痢を制圧し、勝利の歌を歌うのでした……というお話です。
タイトルを知らなくてもおもしろいく楽しめる演技でしたが、タイトルがわかっていればもっとおもしろかったんじゃないかなと。
プログラムに各変奏のタイトル書いてなかったのは非常にもったいなかったですね。
とりあえずこれ、音楽まつりでやればいいのにと思いました。
絶対受けるよね、これ。
「Just a Closer Walk With Thee」は奏者が客席の通路を通って舞台に登場。
奏者が観客の手拍子を誘うような演奏もあったので、室内楽の演奏会にしては動的な演奏会な印象でした。
すでに書いたとおり例年に比べると観客に優しめで、楽しく作られた演奏会でした。
現代曲っぽい曲とオーソドックスなアンサンブル曲の客席の空気感があからさまに違っていたので、やっぱり「心地よい音の方が誰にでも聴きやすいんだなと改めて感じました。
あいかわらず妙なタイミングで拍手が起きていたのは奏者には気の毒でしたが、もうこれはどうしようもないですね。
どーでもいい話ですが、頭の中がフィガロでいっぱいです。<「歌劇「セビリアの理髪師」より 6つのアリア」を聴いたから。
「セビリアの理髪師」だけじゃなくて、「フィガロの結婚」のアリアまで脳内再生されてエライことになってます。
「6つのアリア」聴いてるときに、なんかこうなりそうな予感はしてたんですよ。(笑)
| 陸上自衛隊音楽隊::中部方面音楽隊 | 11:56 PM | comments (0) | trackback (x) |