【プログラム】陸上自衛隊中部方面音楽隊第45回定期演奏会

兵庫県立芸術文化センターで行われた陸上自衛隊中部方面音楽隊第45回定期演奏会を聴いてきましたよ?

陸上自衛隊中部方面音楽隊
第45回定期演奏会

2013年6月2日(14:00開演)
兵庫県立芸術文化センター
KOBELCO大ホール
【演奏曲目】
  • 国歌「君が代」(林廣守)
  • 第1部
    • 行進曲「祖国」(黛敏郎)
    • 歌劇「運命の力」序曲(G.F.F.ヴェルディ)
    • 歌劇「ローエングリン」より 「エルザの大聖堂への行列」(W.R.ワーグナー)
    • 梁塵秘抄~熊野古道の幻想(福島弘和)
    • 信号らっぱの為の協奏曲(神田文雄)
  • 第2部
    • 交響曲第9番ホ短調 作品95(A.L.ドヴォルザーク)
      第1楽章 Adagio - Allegro molto
      第2楽章 Largo
      第3楽章 Molto vivace
      第4楽章 Allegro con fuoco
  • アンコール
    • 栄光の旗の下に(古関裕而)
プログラム表紙
【出演】
  • 陸上自衛隊中部方面音楽隊

 開演前と終演後はオルゴール調の音楽、「中部方面隊歌」以外の曲もあるようなので静かなところで全部聴いてみたいのですが。<演奏会そのものよりそっちの方が気になってしょうがなかったらしい。

 「祖国」はメリハリのある演奏でしたが中方音には珍しいぐらいの荒っぽい音というかなんというか……賛助の数が多いせいでしょうか?
どうもこの「祖国」だけはわたし的にはすっきりしない感じだったのですが、「運命の力」以降はむしろ力強い音でいい感じでした。
吹奏楽曲<管弦楽曲の編曲物という感じかな?
 「エルザの大聖堂の行進」は以前にも書いたことがありますが、吹奏楽では人気の曲です。
実は今日、朝方までだらだらと「ローエングリン」を観ていたこともあって、今更ながら「そーいや吹奏楽版のエルザは何事もなく大聖堂へ入場していくんだよなー」と。
「エルザの入場→オルトルートの邪魔→白鳥の騎士様登場→婚礼の合唱(ワーグナーの「結婚行進曲」)」を描写するような編曲があればいいのに……とか思ってしまいました。
ま、あまり需要なさそうですけれど。

 個人的に一番楽しみにしていた「信号らっぱの為の協奏曲」は「中部方面音楽隊創隊53周年記念曲」という位置づけのようです。
協奏曲ですよ、協奏曲。
信号らっぱで協奏曲。
アイデアだけならわりと誰でも思いつきそうだけれど実際に形にするのは難度が高そうな、ありそうでなかった協奏曲です。
 演奏前の曲目紹介で「3つの音の種類しかない」ということが強調されていましたが、さすがにこれはちょっとミスリードだなぁと思ってしまいました。(^^;
こう言われたら、金管楽器の構造を知らない人が聞いたら「3つしか音がでない」と思うのではないかなぁ。
以前書いたのですが、信号らっぱは「ド」「ソ」「ド」「ミ」「ソ」「シ♭」「ド」の7音が出せませす。
「3つの階名しかだせない」(正確には4つですが)だけで、「音が3つしかだせない」わけではないのです。
7音でも大概少ないのですが、それでも「3つの音だけ」と比べると印象が多少違ってきますよね。
確かに「3つ(の種類)」の方がインパクトはあるのですが、なんだかもにょもにょしちゃうぴぎーさんです。
 ちなみに曲目紹介でもプログラムでも「ソ・シ・レ」と紹介されています。
「ド・ミ・ソじゃねーじゃん。ぴぎー間違ってるんじゃねーか?」と思われる方もいらっしゃるのではないかと。
実は陸上自衛隊で使われている三つ巻90式はG管=ト長に調律されているので「ド・ミ・ソ」=「ソ・シ・レ」になるのです。
ごめんね、なんだか面倒くさい話書いちゃって。
 らっぱ本体の話はこれぐらいにして曲についていくつか。
第1楽章は軽快な曲調で、らっぱも駆け足らっぱのようなメロディーを奏でます。
冒頭にらっぱの独奏があるのですが、いやぁ、いきなりえらいもん吹かされてるなぁと。
ソリスト泣かせというかなんというか……。
 第2楽章はブルースで。
わはは、らっぱにミュート使ってますよ?
カップミュートを使ったり、手で調節したり。
らっぱにミュートって初めて聴きました。
信号らっぱでこんなことやったらしばかれますよね、絶対。(笑)
消灯らっぱのようなようなメロディーで締めくくられます。
意外性というおもしろさではこの第2楽章が一番です。
 第3楽章は音程がはっきりしない現代音楽調。
信号らっぱという昔のままの形を保っているものと現代音楽という新しいものの組み合わせがおもしろいです。
ただ、こういう曲調に慣れていない人はむずむずしそうな曲ですが。
 第4楽章は信号らっぱということを意識せずに聴ける曲です。
でも綺麗なメロディです。
それでいて雄大な感じもあります。
表現は悪いですけど「普通の曲」です。
ある意味らっぱではなくトランペットで吹いても成立するような曲……というか、なんだかこれだけですでに1曲として成立するような感じ。
そういう意味で「普通の曲」。
……と思って聴いていたのですが、帰ってからプログラムを読んで納得。
この楽章のみで演奏ができるように書かれているそうで。
あー、もしかしてぴぎーさんの感想って作曲者の思うツボ?(笑)
とりあえずこの楽章だけの演奏を想定しているということは今後アンコールで聴けたりする可能性があるということですよね?
楽しみ~♥
 とにかくおもしろい曲です。
信号らっぱという音の制限の激しい楽器を使ってこれだけのバリエーションをみせた作曲者と、奏者泣かせな部分も相当あるこの曲でらっぱを吹いたソリストに惜しみない拍手を贈らせていただきました。

 第2部はドヴォルザークの「新世界より」。
演奏前の曲目紹介でも少し触れられていましたが、「新世界より」なんですよね、「新世界」ではなくて。
「より」があるとないとでは意味が大きく違ってくるわけですが、なんだかんだで「新世界」の方が通りがいいような気がします。
「新世界」というタイトルで歌詞をつけて歌われている方が何人かいらっしゃるので、そういうのを聴いて「新世界」だと思ってしまっている人もいそうですね。
 管弦楽を聴いているときはあまり気にしたことはなかったのですが、吹奏楽を聴きながらなんとなく管弦楽との違いを考えていたら、これってかわった曲だよなぁ……とこれまた今更なことを思ってしまいました。
シンバルとかチューバとかの使い方が謎ですよね、なんか。
て、原曲についての感想は別にどうでもいいのですが。
 先にも書いたように今回は吹奏楽曲<管弦楽曲の編曲物という感じだったのですが、そういう意味ではこの「新世界より」が一番良かったかな、わたし的には。
ただ、隊長ってこんな振り方をされる方でしたっけ?
あれ、わたしの記憶がごっちゃになってます?

 アンコールは「栄光の旗の下に」でした。
演奏が始まった瞬間、一気に目が覚めました。
いや、別に寝ていたわけじゃありませんが。(笑)
前述のとおり夜更かしをしたおかげで、睡眠不足で若干だれかかっていたのですが、音が出た瞬間しゃっきりと。
古関裕而氏の曲らしい溌剌としたメロディーについ背筋が伸びてしまいます。
歌なしで聴いたのは初めてなので、なんだかムダにテンションがあがってしまったぴぎーさんでした。

 乳幼児で大概落ち着かないことになっていたので、「定期は未就学児不可じゃなかったけ?」と思ったのですが、あとでちらしを見直したら「乳幼児同伴は応募の際に備考欄に記入」ということになっていたので驚きました。
どうも事前申請のあった乳幼児をバルコニーに集めたくさいですね。
外にでやすいからだというのはわかるのですが、バルコニーのB、D扉寄りの席は1階席と高さがたいしてかわらないので集結させるのは勘弁してー。(/_;)<まさにB、D扉寄りのバルコニー横の席だった。
 乳幼児の入場が可になったこともそうですが、定期演奏会の雰囲気がファミリーコンサート寄りになってきているような気がします。
将来的にはファミリーコンサートを無くしたい思惑がある……とかだったら嫌だなぁ。

| 陸上自衛隊音楽隊::中部方面音楽隊 | 10:05 PM | comments (10) | trackback (x) |


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コメント

 ぴぎーさんこんにちは。
 私も乳幼児に泣かされたひとりです<(`^´)>まるでファミリーコンサートの様相でしたよね。ファミリーはああいった感じ(多少のざわざわ感?)で楽しくやってて問題ないと思うのですが、定期のあのプロと芸文でアレは酷いと思いました。全然集中して聴けなかったです。
 (百歩譲って)乳児が入場したとしても、泣きだしたら(ぐずりだしたら)即刻退場すべきなのに、自分はできれば聴きたい、という親のエゴで何千人の人に迷惑をかけていることに気が付かないんですよね。ほんと腹立たしいです。
 自衛隊音楽隊の演奏会というと、どうしても「音楽を堪能しに行く」という人より「自衛隊のイベントを無料で見に行く」といったスタンスの客が多く、クラシック演奏会の最低限のマナーも知らない人が多くなってしまうのでしょう。仕方ないのでしょうかね。。。

| もあれ | EMAIL | URL | 2013/06/04 12:33 PM | y8GG346g |

>もあれさん

 こんにちは。おひさしぶりですね。(^^)/

 自衛隊音楽隊の演奏会と性質を考えると乳幼児の入場自体はいたしかたないと思うのですが、さすがに一般客と接近する場所に集結させるのはいかがななものかと……と思っています。
近くの席に静かにできない乳幼児が1人いるのと複数いるというのでは全然状況が違いますよねぇ。

 観客のマナーの問題と言えばそうなのですが、演奏会を運営している側が「演奏会」というものを理解していないことも一因になっているように思います。
自衛隊音の演奏会って、遅れてきた観客を演奏中に座席に案内するとかも平気でやりますから。
 「「音楽会」ではなく「自衛隊イベント」だ」と言われればそれまでの話ではあるのですが、それだと演奏する音楽隊が浮ばれないといかなんというか……。

| ぴぎー | EMAIL | URL | 2013/06/04 04:12 PM | J/QlxxMc |

 本当にそうですよね。1人の子がゴソゴソしていてもめちゃくちゃ気になるのに、数人いたら、私だったら帰っちゃいますね(怒)。
 まず、隊員スタッフの教育からしないといけないと思います。なんの為の大人数のスタッフなんだかわからないですよね!音楽隊の方はそういうこには口出しできないのでしょうか?あと、カメラ係りの隊員さんが演奏中にうろうろ動いて写真を撮っているのがものすごく気になるのは私だけでしょうか・・・。演奏中でも平気で座席案内とかもよくやりますしね^^;
 せっかくの年1回あるかないかの最大の「音楽」の見せ場があんな状態では、音楽隊員という職を目指す音大生なんかにも影響がでそうな・・・。大げさかもしれませが^^;
 どういったスタンスの演奏会なのかをもっと明確にして広報宣伝していただきたいです。

| もあれ | EMAIL | URL | 2013/06/04 06:07 PM | y8GG346g |

 おそらく音楽隊よりは総監部の意向の方が優先なのでしょうね。
そもそも自衛隊にとって音楽演奏は手段であって目的ではない以上、そのあたりについてはつっこんでもしょうがないことは承知しているのですが、予想外なことが多すぎて演奏会に行く度にここで何か文句を書いているような気がします。(^^;

 写真撮影に関してはおっしゃるとおり酷い状況ですね。
絵的にいい状況になった瞬間にカメラを持った隊員さんがあちこちから走り出てきたとか、気がついたら演奏中の舞台上にカメラを持った隊員さんがいたとか、どういう状況なのか理解するのに一瞬悩むようなことがたまにあるのですが、誰も止めないのでしょうか、ああいうの?

| ぴぎー | EMAIL | URL | 2013/06/05 12:38 AM | J/QlxxMc |

どうでもいいですが・・・。
プログラム表紙横の【演奏曲目】欄、作曲者が間違っている箇所が有りますよ(爆笑)

| 通りすがり | EMAIL | URL | 2013/06/05 02:36 PM | BDeryK.k |

 あら、本当ですね。
メモの方では「古関裕而氏の曲らしい」と書いているくせにプログラムの方は神田氏の名前になっていましたね。
ご指摘ありがとうございました。
訂正させていただきました。
 
 プログラム欄は以前に書いたもののコピーを修正して使っているので、ほかにも修正をしわすれたものがいっぱいあると思います。
ぜひ間違い探しをお楽しみください。
そして守備よく発見されましたら、ご報告いただけましたら幸いです。

| ぴぎ- | EMAIL | URL | 2013/06/05 02:56 PM | J/QlxxMc |

度々すみません。
信号ラッパの為の協奏曲の作曲者も間違えてますf^_^;

| 通りすがり | EMAIL | URL | 2013/06/08 10:36 AM | 0XTD47v. |

 うわー、本当ですね。
そうか逆になってたんだ……なんでだろ?(あんたの注意力が散漫なだけですがな)
ありがとうございます。
またまた訂正させていただきました。

 ところで物は相談なのですが、できましたら他のプログラムもチェックしてもらえると嬉……(°O゜)☆\(^^;) バカタレっ!
実を言うとカテゴリーも時々間違っているのですよね。
 友人は前回のわたしのコメントを見て「タダで校正をさせるつもりやな」と笑っています。
いや、そこまであつかましくはないですよ?
確かに誰かチェックしてくれないかしら? ぐらいは思っていますけれど……。<自分でやれ!

| ぴぎー | EMAIL | URL | 2013/06/08 09:14 PM | J/QlxxMc |

 はじめまして。広島市在住の「yama」です。

 この間、中方音の定期演奏を聴きに行きました(兵庫県立芸術文化センター)
わたし的には・行進曲「祖国」・信号らっぱの為の協奏曲・交響曲第9番ホ短調 作品95(A.L.ドヴォルザーク)がよかったように思います。尚、行進曲「祖国」は、中音が録音したものよりは、良い響きがしていました・・・。

 乳幼児の件は、総監部のスタッフが、定期演奏の趣旨をよく理解していないと思います。音楽隊が総監部へ説明・要望すればすれば、対応してくれるのでは?

 中方音関係のサイトがないかと探していましたら、piggyさんのブログに出合いました。・・・!
 いっぱいコメントを書かれている割には、文章が系統的にまとまっています。「通常、多く書けば文章に脈絡がなくなるものですが」・・・。

 ブログの情報楽しみにしています!

 THANKS

| yama | EMAIL | URL | 2013/06/17 10:05 PM | KFs4J42. |

>yamaさま

 はじめまして。
さっぱりさっぱりなサイトへようこそお越しくださいました。

 広島から芸術文化センターまでお越しとはなかなかの行動力でいらっしゃいますね。
中方音定期はホールもいいホールを使っているので、広島から足をのばされても損のない演奏会だったのではないでしょうか?

 別コメントに書きましたが、乳幼児の件はわたしも中方総監部が音楽演奏会というものを理解していないためだと思っています。
ただ、公募組の観客が一人や二人正当な苦情を言ったところでどうにかなるものではないとも思っていたりします。
わたしがモニターをしていたときも似たような調子でしたので……。

 ブログにつきましては過分のお褒めの言葉をありがとうございます。
 入力が荒っぽい上に校正が苦手なので誤字脱字(文字どころか文章単位で抜けていることもザラですが)が満載ないい加減な文章で申し訳ない限りですが、お気が向いたときにでもお読みいただけましたら幸いです。

| ぴぎー | EMAIL | URL | 2013/06/17 11:57 PM | J/QlxxMc |

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