【プログラム】陸上自衛隊中部方面音楽隊第26回室内楽演奏会

伊丹アイフォニックホールで行われた陸上自衛隊中部方面音楽隊第26回室内楽演奏会を聴いてきましたよ?

陸上自衛隊中部方面音楽隊
第26回室内楽演奏会

2013年3月22日(16:30開演)
伊丹アイフォニックホール
メインホール
特別企画
挑戦 4時間を超えるリレーコンサート!

【演奏曲目】
  • First Stage
    • Gains Borough(T.ゴーガー)
    • ウェントス(石毛里佳)
    • 吹奏楽のための組曲第2番より(G.ホルスト)
    • クープランの墓より(M.ラヴェル)
    • ソナチネ(E.ボザ)
  • Second Stage
    • Sonate for Flutes in E minor(W.F.バッハ)
    • 無伴奏チェロ組曲第2番(J.S.バッハ)
    • 3つの魔法(高橋宏樹)
    • トロンボーンのための3つの情景(A.ワイルダー)
  • Third Stage
    • Resound(松岡真子)
    • Tokyo triptych(P.スパーク)
    • トリオ(G.オーリック)
    • Suite(E.ボザ)
    • 6つのバガテル(G.リゲティー)
  • Fourth Stage
    • 笑劇のための音楽(P.ボウルズ)
    • 6重奏曲(F.プーランク)
    • タランテラII(八木澤教司)
  • Second Stage
    • Rush Out(西原大樹)
    • 紅(真島俊夫)
    • ガーシュインを讃えて(G.ガーシュイン)
    • モダン・ムーズ(N.C.ディーツ)
プログラム表紙
【出演】
  • 陸上自衛隊中部方面音楽隊

挑戦状が送られてきたのでアイフォニックホールまで挑戦を受けに行ってきました。
よしこい、21曲!
玉砕するのは覚悟のうえ。
最近老朽化の激しいわたくしの記憶装置がんばれ。<いろいろと大きく間違ってますよ、ぴぎーさん。

アイフォニックホールでの室内楽は6年ぶりだそうです。
同じく6年前にいたみホールから芸術文化センターに移った定期も戻っちゃうのかな? とちょっと気になっていたのですがプログラム裏表紙の案内をみる限り今年も芸術文化センターのようです。
演奏会は21曲を5つに分け、間に4回の休憩を挟んでの総計4時間40分ほどの長丁場でした。
最後の曲が終わったの21時13分でしたよ。

21曲全部感想を書いていたらえらいことになるので、各ステージの中で面白かった曲を1曲づつメモ。
まずはFirst Stage。
一番手走者が走り出してリレーがスタートです。
あ、鹿威しの人?<勝手にヘンな呼び名をつけない。 (-"-;)
それはとりあえずおいといて……
ゴーガーの「ゲインズボロー」が4時間半のリレーの第1曲目です。
「ゲインズボロー」は打楽器アンサンブルの曲としては人気のある曲のようでわりとよく演奏されている感じです。
現代曲によくあるようなかわった演奏法などは一切なく、打楽器の曲にありがちな打楽器の持つ力強さを前面に押し出したような曲でもないので各々の楽器の音をじっくり楽しめます。
打楽器5重奏となっていますが、ものすごく厳密に言ったら5重奏ではないのではないかと。
だって、バスドラとシンバルを同時に叩いてるのだもの。
実際、副題として「5人の打楽器奏者のための(for 5 Percussion Players)」とついているのを何度か見たことがありますので、「5人の奏者で演奏」する曲であって、「5つのパートを重ねて演奏する曲」ではないのでしょうね。
マリンバが2つ、ヴィブラフォン、バスドラム、ティンパニ、シンバル、トライアングル,銅鑼(というかゴング?)、チューブラーベルは目視確認できました。
実はチューブラーベル、見えてるのに見えてないというとんでもないことになっていて、チャイムの音が聞こえてきた瞬間にびっくり。
ええっ、チューブラーベルいつからそこにっ!?(多分最初からそこに)
音を聴いている限りでは絶対他にも楽器があるはずですが、チューブラーベルの存在すら気がづかなかったぐらい節穴な目のぴぎーさんには確認できませんでした。(^^;
打楽器は1つの楽器でもマレットをいくつも使いわけるのは普通ですが、この曲のティンパニはかなり大きさに差のあるマレットを使いわけていました。
これぐらい差があると、素人のぴぎーさんにも音の差がわかるので助かります。(笑)
前述のとおり各楽器の持つ音がきれいに表現された曲です。
管弦楽・吹奏楽ではなかなか前面にでてくることのない打楽器群ですが、今回は打楽器も実はこんなに美しい音をだせるんだぜ! というのを披露してくれました。

Second Stageで面白かったのは「トロンボーンのための3つの情景」。
プログラムでは「混成アンサンブル」と紹介されていてフルート、オーボエ、クラリネット、バスーン、ホルン、トロンボーン、パーカッション、ピアノの奏者の名前がかかれています。
トロンボーン以外の楽器がメチャクチャ多いので、「「トロンボーンのため」と書いてあるのにトロンボーンアンサンブルとちゃうんかいっ!」とつっこみたくなるような曲です。
舞台には下手からピアノ、マリンバ、木管5重奏と少し間隔をとって並びます。
トロンボーンはピアノの前に立ちます。
「ヘンな配置」と思っていると、トロンボーンとピアノだけが演奏を始めます。
第1楽章が終わるとトロンボーンはマリンバの前へ移動。
第2楽章はトロンボーンとマリンバが演奏をします。
第3楽章は木管5重奏の前に移動して木管5重奏と演奏です。
そう、楽章ごとにトロンボーンは違う相手とアンサンブルをしているのです。
なるほど、だから「トロンボーンのための3つの情景」というタイトルなのですね。
木管5重奏との演奏はアンサンブルというよりは協奏曲のような趣がありました。
ものすごく面白い曲だと思うのですが、わたしは初めて聴いた、というか曲名すら聴いたことがありませんでした。
珍しい曲なのかも。

委嘱曲好きとしては中音ユーフォニアム・テューバセクション委嘱曲の「リサウンド」をかなり気合いを入れて聴いたのですが、Third Stageはテーマとしておもしろい「トウキョウ・トリプティック」で。
これ、フィリップ・スパーク氏にとっての初めての室内楽曲だとか。
曲名を日本語にすると「東京三景」といった感じでしょうか?
第1楽章が「新宿」、第2楽章が「泉岳寺」、第3楽章が「渋谷」というタイトルがつけられています。
新宿、変拍子みたいなのですが、スパーク氏には新宿はそういうリズムに感じるんだーと、わりとどうでもいいことを考えていました。(笑)
トロンボーン4重奏です。
技巧的にも難しそうなところがあるように見受けましたが、そのあたりは手堅く。

Fourth Stageは「笑劇のための音楽」の見るからに目覚まし時計な時計が気になって、気になってしかたありませんでした。
時計のベルの音を使うのは別に珍しいことではないので時計だけ置いてあるなら別に気にもしないのですが、時計に白いコードが繋がっているのですよ。
何、あのコード……。
「笑劇のため」というタイトルがつけていられるように、コミカルなところのある軽妙な曲です。
トランペットはミュートを4つも使い分けていました。
これもまたなかなかおもしろい曲でした。
ちなみに作曲者のポール・ボウルズ氏は『極地の空 』(映画「シェルタリング・スカイ」の原作)の作者でもあります。
そして時計の白いコードですが、どうやらコードの先がスイッチになっていたようです。
コードの先はマレットをのせてあるテーブルの上にあったようで、打楽器奏者がテーブルの上のコードの先らしきものを触るとジリジリとベルが鳴ります。
あの時計、ファミリーコンサートの楽器体験コーナーに置いておいてくれないかしら?<鳴らしてみたいらしい。(笑)

Final Stageは真島俊夫作曲の「紅」も良かったのですが、ここはやはり他の観客も盛り上がっていた「ラッシュ・アウト」を。
マリンバとドラムセットの打楽器二重奏です。
ドラムセットにボンゴもついていたので、いつ叩くのかとわくわく。
途中ドラムのアドリブがあったのですが、客席大喜びです。
ドラムのアドリブって確実に観客喜びますよね?
逆に言うと、ドラムのアドリブがあると他の楽器はドラムに「ええとこを持っていかれる」状態にもなったりするわけですが、マリンバもすごかったですよ。
わたしはマリンバのマレットの動きを追っかけて勝手に盛り上がってました。(笑)
あとドラムはアドリブじゃないところで喜んでみたり。
「ペダル踏んでるー」とか……。
そこ、いちいち盛り上がらなきゃならんようなとこなのか? と書いていて自分でも思いましたが、聴いてるときはムダにそういうところで楽しくなっちゃうのですよねぇ。
録音を聴いているときはひとつひとつの楽器を意識するようなことはないので、楽器を目の前にしてムダに興奮しているのかも。(笑)
演奏のあと、奏者のお二方はハイタッチを交わして袖にひきあげていかれましたが、観客があんなに喜ぶのは室内楽演奏会ではわりと珍しい雰囲気なので、笑顔のハイタッチも演出的なものではなく、思わずでちゃったって感じかな?

ああ、しまった。
「トウキョウ・トリプティック」以外は打楽器が入って曲についてしか書いてないっ!Σ( ̄□ ̄lll)!!
……いつものことだから、いいか別に。
総体的な感想としては金管は当たり外れがあったかなと。
木管はわりと手堅い印象。
打楽器は観客受けが良かったように思います。
曲の終わりと楽章の終わりの区別がつかず、楽章間で拍手が起きたり、一度だけですが演奏に入ろうと奏者がアイコンタクトを計ろうとした瞬間に拍手が起きてしまい、奏者がまた挨拶をしなおしたりという奏者にとっては気の毒な状況があったのですが、観客の方も「奏者が挨拶の体勢に入るまで拍手をしない」という方法を早々に体得して後半はヘンなタイミングの拍手もなくなりいい雰囲気でした。
みんなええ観客やー。(/_;)
奏者にも他の観客にも迷惑かけてでも自分のやりたいことをやるバカたれはこういう観客の皆様の態度を見習ってくれないかなぁ……。

演奏する側も聴く側もお疲れさまな演奏会でしたが、ぴぎーさんはたっぷり音楽が聴けて大満足でした。
意識的に記憶するようにしたかいあってわりとしっかり21曲分の感想も覚えて帰っこられたので、そのあたりも満足しています。
ええ、記憶力への挑戦については負けませんでしたよ? うふふ。
そのかわり、面倒くさいので開演前から座席に座りぱなしにしていたのがたたって、先週やった腹腔鏡手術のあとが痛みだして帰り道がエライことになりましたけれど。
予定どおり玉と砕け散っちゃったわ、えへ。

| 陸上自衛隊音楽隊::中部方面音楽隊 | 02:22 PM | comments (0) | trackback (x) |


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