【プログラム】陸上自衛隊第3音楽隊第43回定期演奏会
陸上自衛隊第3音楽隊 第43回定期演奏会 2013年2月9日(14:00開演) いたみホール大ホール |
【演奏曲目】
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【出演】
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ロビーコンサートはクラリネット5重奏で「フォスター・ラプソディ 」。
「ケンタッキーの我が家」「主は冷たい土の中に」「草競馬」「おおスザンナ」「金髪のジェニー」の5曲が登場しますが、それぞれの曲が順番に演奏されていくメドレーではなく各曲が混じり合って演奏されるおもしろい曲です。
フォスターが結構好きなわたしはメロディーの断片が聞こえるとちょっとニヤニヤしてしまいました。(笑)
今回は「鳳凰が舞う」と「危険な空を制圧するために」にがあるので、下手側の端に座って打楽器の様子を見てきました。
だってCDを聴いていると、鹿脅しをどうやって鳴らしているんだろうとか、シンバルの音、絶対なにかやってるよね? とか気になってしょうがないんだもん。
音のバランス的にはあまりいい場所ではないのですが、鹿脅しとシンバルの確認の方が重要!(いいのか、それで?)
音のバランスなんてCDで好きなように調節したらええねん。(本当にそれでいいのか?)
コンクールの課題曲の「勇気のマズスルカ」「エンターテイメイント・マーチ」、吹奏楽をやっている人に人気のある「アルセナール」「シェナンドゥ」と、
吹奏楽部の生徒さんたち向けの曲が多めな感じです。
「セント・アンソニー・バリエーション」も吹奏楽をやっている人には結構人気あるような気がしますし。
「セント・アンソニー・バリエーション」は吹奏楽好きな人にはヒルの「セント・アンソニー・バリエーション」という印象でしょうが、管弦楽が好きな人には「元はブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」じゃないか」と思う人がいるかもしれません。
「セント・アンソニー・バリエーション」の元になっている「聖アンソニーのコラール」という曲は、ハイドンが作曲した(今はハイドンの作曲ではないのではないかと言われていますが)ディヴェルティメントの一部にも引用されています。
そのハイドンの曲から「聖アンソニーのコラール」の旋律を使いブラームスが作曲したのが「ハイドンの主題による変奏曲」です。
それなりに親しまれている曲なので、案外初めて「セント・アンソニー・バリエーション」を聴いた人でも「なんか聞いたことがあるような気がする」と感じたかもしれませんね。
「セント・アンソニー・バリエーション」も同じ「聖アンソニーのコラール」の旋律を使っていますが、印象は全く違います。
「ハイドンの主題による変奏曲」は荘厳な感じですが、「セント・アンソニー・バリエーション」は吹奏楽らしく打楽器のきいた今風な音楽です。
同じ旋律を使っても、ハイドン、ブラームス、ヒルと作曲者によって全く違ったものになるのですからおもしろいですね。
鹿脅しをどうやって鳴らしているのか気になってしょうがなかった「鳳凰が舞う」ですが、演奏にあわせなきゃいけないので勝手に鳴るようにするわけにはいかないし、どうやってるのかと思ったら、奏者が竹と支持台を持ってました。
うん、まぁ、そうなるよね。
鳴らすときに竹を支持台に当てる、というか多少支持台を竹に当てるような感じでした。
あれって、ああいう鳴らし方をするなら別にあんなに長い竹じゃじゃなくてもいいのじゃないのか? とも思ったのですが、音が違ってきますわな。
あの長さじゃないとあの音にならないのだろうなぁ。
和楽器もたくさん登場します。
中音の録音によるCDもでていますが、できれば生演奏で聴くことをお勧めしたい1曲です。
今回わたしが一番楽しみにしていたのは「大空への挑戦~危険な空を制圧するために~」です。
演奏情報の際にも書きましたが、アメリカ空軍の第564戦術空軍司令部軍楽隊の委嘱曲です。
軍楽隊の委嘱曲のせいか難度高そうな感じです。
木管がえらいことになっているような気がするのですが……。
大概大変なな曲なようなので、3音の演奏がどうなるか実はドキドキでした。
が、なかなかの力演、好演で「やるじゃん3音」という気分です。
この曲、今の3音にあっているんだだと思います。
元々甘美なメロディーよりは華のある曲の方があっていた感じなのですが、力技的な演奏もやるようになってこういう感じの曲がむくようになってきたのでしょうね。
ただ、そのかわり弱音が苦手になってきているような気がしないでもないのだけれど……。
特に弱音で始まる曲はもうちょっとがんばっていただけないものかと。(^^;
そうそう、シンバルですが、チェーンでシンバルを撫でて(?)ました。
あと素手でも。
この曲に限りませんが見てみないとわからない音ってありますね。
それからこの曲の日本語タイトルなのですが、個人的に「大空への挑戦」というのはちょっと違うような気がするのですよねぇ。
「危険な空を制圧するために」というタイトルではわかりにくいのと、イマドキのニッポンでは反感を買いかねないタイトルでもあるせいか、「大空への挑戦」というダイトルだけで演奏しているのを結構みかけますが、この曲、「大空への挑戦」などという雄大な話ではなく、なにか怪しげな敵と戦っている曲だと思うのですが。
わりと聴き手の想像力を要する曲ではあると思いますが、それでもこの曲を聴いて、例えばブルーインパルスみたな飛行機が技能の限りを尽くして大空に挑戦しているというような雰囲気は想像しにくいです。
平和な空に敵が現れて、戦って勝利を収める、でもそれでめでたしめでたしではなくて、まだ何かが起きるんじゃないか? と思わすようなそんな曲なので、やはり原題どおりの「危険な空を制圧するために」の方がしっくりくるように思うのですが、今の時代には向かないのかなぁ……。
アンコールは「レ・ミゼラブル」と中央音楽隊創隊30周年委嘱曲である「祖国」の2曲。
「祖国」が始まった瞬間、顔のにやけ具合があまりにも危ないので手で顔を覆ったぴぎーさんです。
好きなのよー、「祖国」。
黛敏郎氏の作曲で、ものすごーくオーソドックで明快な行進曲、正確にはコンサートマーチ? なのですが、オーソドックなわりには退屈ではないのですよね。
続くカノンといい、今風では全然ないのですが、おばちゃんにはむしろそこがいいのです。
そして、前にも書いたことがあるのですが、今回も「陸上自衛隊の「祖国」」になっていたので嬉しかったです。
今の3音、陸自の行進曲演奏では中方の中では一番好きかも。(中方以外で陸の行進曲を聴いたのは中音と東方音しかないので中方でしか比較できません。(^^;))
| 陸上自衛隊音楽隊::第3音楽隊 | 11:54 PM | comments (2) | trackback (x) |