良く尋ねられることのひとつが「公的機関の音楽隊というのはプロなのか?」ということです。
イベントに行くと方面音楽隊を指して「あれはクラブ活動でやってるんだよ」と連れの方に説明しておられる方もよく見かけます。
プロフェッショナルを本来の意味どおり「職業に従事する」という意味で捕らえるなら、師団音楽隊から上の部隊に相当する自衛隊音楽隊、一部の警察音楽隊、一部の消防音楽隊がプロ、それ以外の音楽隊はアマチュアという事になるかと思います。
「専務隊」「兼務隊」という言葉があります。
専務隊は音楽演奏専任の部隊、兼務隊は音楽以外のことが主たる仕事な楽隊のことです。
専務隊は課業時間内に練習ができますが、兼務隊は仕事が終わってからの時間が練習時間です。
海保音のように課業時間内に練習時間を貰えたり、大きなイベント前などには課業内の練習をさせてもらえる楽隊もありますが、兼務隊員の本来の業務は音楽演奏ではありません。
「職業に従事する」という意味で区別をするのなら、音楽が主たる仕事な専務隊はプロバンド、音楽以外のことが主たる仕事な兼務隊はアマチュアバンドということになります。
専務隊隊員の中には「音楽以外の業務もやっている。音楽以外の部隊に移ったところで給料がかわるわけではないから音楽で食ってるわけではない」とおっしゃる方もいらっしゃるようですが、音楽が主たる部隊に科員として籍がある間は、少なくとも「職業に従事する」という意味ではプロだとわたしは思います。
ま、わたしも「技術職の給料なんて貰ってねーよっ! つか雑用多すぎだ、このヤロー!!ヽ(`Д´)丿」と言いながら仕事をしていたことがあるので、そう言いたくなる気持ちはよくわかるのですが。(^^;
では、どこが専務隊で、どこが兼務隊か? という話ですよね。
陸上自衛隊は中央音楽隊、各方面音楽隊、各師団音楽隊が専務隊。
駐屯地音楽隊と紹介される音楽隊や富士学校音楽隊のような○○学校音楽隊は兼務隊です。
駐屯地音楽隊と富士学校音楽隊は正規の部隊ではありません。
海上自衛隊と航空自衛隊は「音楽隊」と名乗っているところは全て専務隊です。
同好会などはその名のとおりクラブ活動扱いです。
海上保安庁は兼務隊。
隊員さんも数年で入れ替わります。
警察は警視庁、北海道、埼玉、千葉、神奈川、京都、大阪、兵庫、福岡、愛知が専務隊で、あとは兼務隊。(2011年7月現在)
皇宮警察も兼務隊。
消防はちょっと把握しきれていないのですが、東京消防庁のほかいくつかあるようです。
ネットで検索すると「6都市」との情報ばかりでてくるのですが、大阪市が含まれているのですよねぇ……。
税関も兼務隊です。
兼務隊は練習時間や予算に苦労しながら活動を続けているところも少なくありません。
実際、消防音楽隊の中には解散してしまったところがいくつもあります。
民間人と一緒に市民バンドとして再スタートをきった四日市市消防音楽隊のようなところもあります。
地元にいる音楽隊が演奏することがあったら、ぜひ足を運んで演奏に演奏に耳を傾けてください。
演奏を聴きにきてくれる人がたくさんいるかどうかも存続にかかわってくる大事な事です。
演奏を聴きに行くという形で地元の音楽隊を応援してあげてくださいね!