【プログラム】海上自衛隊舞鶴音楽隊第48回定期演奏会

舞鶴市総合文化会館で行われた海上自衛隊舞鶴音楽隊第48回定期演奏会を聴いてきましたよ?

海上自衛隊舞鶴音楽隊
第48回定期演奏会
舞鶴市民音楽の夕べ

2014年2月22日(17:00開演)
舞鶴市総合文化会館大ホール
【演奏曲目】
  • ロビーコンサート
    • 美しく青きドナウ(J.シュトラウス II)
    • 卒業写真(荒井由実)
    • ウィーンはいつもウィーン(J.シュランメル)
  • 第1部
    • 我等の海軍(R.ティーレ、B.クッチュ)
    • フローレンティナー行進曲(J.フチーク)
    • 伝説のアイルランド(R.W.スミス)
    • プロセルピナの庭~吹奏楽のための交響的牧歌~(A.リード)
    • コンサートマーチ「アルセナール」(J.ヴァンデルロースト)
    • プスタ~4つのジプシー舞曲~(J.ヴァンデルロースト)
  • 第2部
    • オリンピック東京大会ファンファーレ(今井光也)
    • オリンピックマーチ(古関裕而)
    • 汽車ポッポ(草川信)
    • この道(山田耕筰)
    • 雛祭り幻想(酒井格)
    • 鳳凰が舞う 印象、京都 石庭 金閣寺(真島俊夫)
  • アンコール
    • 早春賦(中田章)
    • Scotland The Brave & We're No Awa Tae bide Awa(スコットランド民謡)
    • 行進曲「軍艦」(瀬戸口藤吉)
プログラム表紙
【出演】
  • 海上自衛隊舞鶴音楽隊

 いやーっ、舞音までプレコンサート形式にーっ!!(泣) 
もうね、プレ形式のときは演奏中は客席から出ようかと思いはじめましたよ……。
演奏中の会場にいながら聴きたいのに聴けないという状況になるのは結構ストレスなので。
わたしの座席運が壊滅的に悪いというのが一番の問題なのですが、こればかりはどうすることもできません。
 実は今回、わたしのお隣に座られた方が音楽が好きでカラオケはもっと好きだといういう高齢のご婦人で、童謡、唱歌の類は曲目紹介がされると演奏が始まる前から歌いだし演奏が終わっても歌っているような方だったのですが、こういうのは平気なのですよね。
そっと歌われていますし、なによりも童謡以外の曲も楽しんでいたからこそウキウキした気分になって歌もでるわけですから。
指揮者の手の動きがおもしろいからと、指揮者の振りをマネをして膝の上で「鳳凰が舞う」を指揮されてましたよ。
楽しそうでいいでしょう?
自衛隊音の演奏会はこれぐらいの気安さは許されると思います。(^^)
カラオケ気分で歌本持ち込んで大声で歌うとか、いくら開演前のミニコンサートだからといっても演奏中にお喋りの声の音量を落とさないとかは論外ですけれど。

 今回の定期演奏会、打楽器祭状態でなかなか楽しいことになっていました。
委嘱曲も初演もありましたし、ヤン・ヴァン・デル・ロースト氏も来場されていました。
吹奏楽曲の多いプログラムでしたが、この類の音楽をあまり聴きつけていない人にも聴きやすそうな曲ばかりだったので、客席の雰囲気も良かったです。

 まずは開演前のミニコンサートから。
今回は3曲です。
曲目紹介がなかったのですが、タイトルは知らなくても誰でもどこかで耳にしたことがあると思われる曲です。
わたしは2曲目のタイトルがすぐ思いつかなかったのですが、頭の中で歌っていたら歌詞に「卒業写真」とでてきたのでなんとか。(笑)
 トロンボーン4重奏です。
4人の奏者がpBONEを持って舞台に登場です。
pBONEはプラスチック製のトロンボーン。
昨年の定期演奏会のロビーコンサートにも登場しました。
2階で聴いた昨年とは違い1階のわりと前の方で聴いたせいか、ホール内で音響が違うからかはわかりませんが、ああ、やっぱりトロンボーンとは音が違うんだなと。
金管の方が華があるというか、なんかそんな感じです。
pBONEの方が響いてないのかな?
でもやっぱり、姿を見ないで状態でどちらか片方だけを聴かされたなら、わたしではどっちかわからないと思います。(^^;
 pBONEで「美しく青きドナウ」、トロンボーンで「ウィーンはいつもウィーン」と、どちらもウィーン風の曲を演奏をしたのもおもしろいですね。
んー、こういう曲だっらやっぱりトロンボーンがいいかなぁ。
もしかしたら「卒業写真」みたいな曲はpBONEが向いているかもしれない。
いや、なんとなくそんな気がしただけなのですが。

 1曲目は「我等の海軍」。
昨年の「府民との音楽演奏会」では「海の戦友」を演奏をしましたが、今回は「我等の海軍」を持ってきました。
ドイツ行進曲がお好きなでしょうか、隊長。
ドイツ行進曲というとタイケ以外はあまり演奏されないので、こういう曲がプログラムにのるのはすごく嬉しいです。
 プログラムでは「軍楽隊系の作曲家による行進曲ではありませんが」と紹介されていましたが、この曲、曲の成立こそ軍隊絡みではありませんがこの曲の一節に歌詞がついてしっかり軍歌になっています。
ものすごく日本人的軍歌な歌詞なので、初めて聴いたときに「さすが同盟国だっただけあるわー、ドイツ」とか思ったぴぎーさんです。(笑)
軍歌云々は関係なく、ドイツらしい勇壮な曲です。
3分もない短い曲ですが、力強い堂々とした演奏でした。

 「伝説のアイルランド」はいろいろな音が登場します。
鎖が引きずるような音とか足踏みの音とか。
足踏みはマーチングブロックじゃないかと思うのですが、紹介の際に「足踏み」と言っていたので本物の足踏みかもしれません。
わたしの席からはわかりませんでした。
楽譜指定にはないバグパイプを入れるということだったので「さすが舞音」と思ったのですが、特にバグパイプを目立たせることもなく、ふつーに編成の中に混ぜただけだったので別の意味で「さすが舞音」と感心してしまいました。
舞音にとってはバグパイプって特殊な楽器じゃないのね。
なんだかもったいないような気もするけれど舞音らし気もするのでいっか。
 クラリネットが良かったです。
クラリネット、このあとの曲でもいい感じでした。

 「プスタ」は今の舞音だと、冷静な感じのスマートな感じになりそうだなぁ……と思っていたのですが、予想外に熱っぽかったのは嬉しい誤算。
ジプシーの舞曲なのでやはり情熱的な熱さも欲しいですよね。
タンバリン、ものすごい情熱のこもった叩きっぷりでした。

 前半は海外の作曲家の作品ばかりでしたが、後半は邦人作曲家の作品ということで、東京オリンピックのファンファーレとマーチでスタート。
ファンファーレはちょっと残念な感じでしたが、マーチはなかなか華やかに。
ソチ五輪も終わったし、さすがにこれでしばらく東京オリンピックファンファーレは聴かなくなるかな?

 「汽車ポッポ」はなかなか派手なアレンジでした。
オリジナルの旋律じゃない部分は汽車ではなくて新型新幹線でも向かってきそうな雰囲気でしたが、オリジナルの旋律になると走っているのはやっぱり汽車ぽっぽだったのでちょっと笑ってしまいました。

 今年の定期も委嘱曲初演がありました。
酒井格氏の作曲で「雛祭り幻想」。
「うれしいひなまつり」と「ひなまつり」の旋律を素材に華やかな幻想がくりひろげられます。
下鴨神社の流しびなに着想を得ているようで、演奏前の曲紹介で下鴨神社云々の話と「流れ行く人形(ひとがた)に思いをはせてみてください」的な言葉を司会の方が言われたのですが、どうにも桟俵が流れていく様子が浮んでこず、しばらくはもんもんとして聴いていました。
もんもんとしすぎて途中でひな祭りでも音楽でもない全然別のことを考え始めてしまったのですが、そのあたりから水面に漂うたくさんの桟俵が頭の中に浮かんできて消えなくなってしまい参りました。(笑)
余計なことを考えていたあたりから、曲がまさに「幻想」という雰囲気に突入していったからだと思います。
音楽の聴き方というのは人によって違いますが、とりあえずわたしは曲が描く風景的なものをあまり知らずに聴く方が向いているようです。
知ってしまうとその光景を見ようとして探してしまうので、うまくその光景がみつけられないと前述のようなことになってしまいますので。
 曲名と作曲者の名を見た際になんとなく想像したとおりの曲でした。
「想像したとおり」という感想が良いことなのか悪いことなのかはわかりませんけれど。
でも、わたし的には想像どおり=期待どおりということだったので「良」です。
普段の曲調とは違う挑戦的な作品を聴いて「おぉ!」と感嘆するのも楽しいですが、「この作曲家にはこういう曲を期待する」という気持ちも大きいので。
ひな祭りがモチーフなので、そうそう聴く機会はないかもしれませんが、できればもんもんとすることをなく、最初から自分のイメージでもう一度聴きたいところです。
初演なので、もちろん酒井氏も会場にお見えでしたよ。
 ところで「うれしいひなまつり」の方はどなたでもご存じでしょうが、三宅延歳作曲の「ひなまつり」ってどれぐらいの知名度なのでしょう?
子供向け歌のCDを図書館でちょいちょい借りるのですが、「ひなまつり」が入っているのを見たことないのですが……。<探したことがあるらしい。

 最後は鹿脅し……じゃなくて、「鳳凰が舞う」。
冒頭でコントラバスが活躍する、吹奏楽としてはわりと珍しい感じの曲です。
拍子木とか鈴という和楽器も使われている日本的な音になっています。
和楽器以外にも風の音としての竹だか笹だかの葉も登場します。(わたしの席からは遠すぎて、何の葉だかわかりません。(^^;))
石庭の光景ということで鹿脅しの音も聞こえきます。
 鹿脅し、竹を縦に持って木槌みたいなタイプのチャイムマレット(かな?)で叩いていました。
縦型の鹿脅しっ?! と心の中でつっこんだぴぎーさんです。(笑)
自衛隊音の非コンサートホールでの演奏ということで考えると、去年の3音の定期の「鳳凰が舞う」の方に分があるかなと。
3音は「珍しい楽器」の鹿脅しを前に出していたのですよね。
竹林をそよぐ風とか鹿脅しの音はあくまで曲の背景でしかないので、舞音のように後列で目立たないように演奏するのが正当だとは思いますが、観客が必ずしもクラシック音楽好きとは限らないない自衛隊音の演奏会では、観客を退屈させずに曲にひきつけておくためには3音のような方法もありかなと。
演奏だけで観客を惹きつけることができれば一番だとは思いますが、演奏を聴くつもりなく来ている人も少なからずいる現状では、演奏を聴いてみようと思わせるところから始めないといけなわけですから。(「演奏を聴く気もないのに来るやつなんかいるのか?」と思うでしょう? いるのですよ、これが。(^^;))
個人的な観想を言うと、鹿脅しはぎりぎりで「竹を固い物で叩いた音」に踏みとどまっちゃったように感じました。
3音の鹿威しも竹を叩いた音といえばそうなのですが、鹿脅しぽい雰囲気があったので、竹の太さとか使うマレットとか叩き方とかいろいろあるんだろうなぁ……と思ったのでした。
 鹿脅しはそんな感じでしたが、曲自体は今の舞音というか隊長にあった曲なので、かっこよくまとまっていました。
最近の舞音は意外な曲をプログラムを入れてくるので、楽しくていいですね。

 アンコールに「Scotland The Brave」と「We're No Awa Tae bide Awa」を持ってきました。
「伝説のアイルランド」でバグパイプを贅沢な使い方をしていたのですが、ここでソロで投入。
せっかくパイパーいるのに、それをアピールしないのはもったいないですよね。
 「Scotland The Brave」はスッコトランド絡みのイベントなんかでよく演奏されるので耳にしたことのある人も多いかもしれません。
バグパイプのオニムバスCDにも大抵入っている気がします。(わたしが聴いたCD全部に入っていたので)
「We're No Awa Tae bide Awa」は「Scotland The Brave」とはまた違った雰囲気のメロディーです。
これ、バグタイプではない演奏で歌がついているものを聴いたことがあるのですが、バグパイプが入るとよりスコットランドぽくなりますね。
バグパイプのスコットランド感やっぱりすごいわ。

| 海上自衛隊音楽隊::舞鶴音楽隊 | 11:58 PM | comments (0) | trackback (x) |


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