【プログラム】陸上自衛隊第3音楽隊第41回定期演奏会

いたみホールで行われた陸上自衛隊第3音楽隊第41回定期演奏会を聴いてきましたよ?

陸上自衛隊第3音楽隊
第41回定期演奏会

2011年3月11日(18:00開演)
いたみホール大ホール
【演奏曲目】
  • ロビーコンサート
    • 「となりのトトロ」より さんぽ(久石譲)
    • 「千と千尋の神隠し」より いつも何度でも(木村弓)
    • エンターテイナー(S.ジョプリン)
    • アメリカン・パトロール (F.W.ミーチャム)
  • 第1部
    • 第3師団創立50周年記念曲
      「絆と飛躍~第3師団の勇士~」(田野均)
    • 天国の島(佐藤博昭)
    • 南風のマーチ(渡口公康)
    • トロンボーンのための「カラーズ」(B.アッペルモント)
  • 第2部
    • ア ウィークエンド インニューヨーク(P.スパーク)
    • ソラス・アネ(昨日の喜び)(S.ヘイゾ)
    • 歌劇「ポーギーとベス」より (G.ガーシュイン)
  • アンコール
    • 「江~姫たちの戦国~」より メインテーマ(吉俣良)
    • 「ドラゴンクエスト」より 序曲(すぎやまこういち)
プログラム表紙
【出演】
  • 陸上自衛隊第3音楽隊

15時前に東北地方太平洋沖地震が発生し、和歌山でも津波が起きたりしていたので中止の可能性もあるかも……と思っていたのですが予定どおり開催されました。
17時開場では中止のアナウンスをする余裕もありませんし、現地の状況はまだはっきりしていなくて京阪神には影響がでていないとなれば開催するしかしかたなかったのではないかと思います。
観客の方もまさかこんなひどい状況にはなっていると思っていないので、地震のことを話題にしている観客はほとんどみかけませんでした。
地震の被害が大きくならないことを願うばかりです。

今回の定期演奏会は第3師団創立50周年記念公演ということになっています。
プログラムの画像を見ていただくとわかりますが、「第3師団定期演奏会」(3rd division the regular concert)です。
3音の定期は以前から「第3師団音楽隊」の表記を使っているのですが、これは「師団直轄音楽隊」ということへのこだわりなのでしょうか?
演奏の合間に3音のプロフィールが紹介される場合には「改編により「第3音楽隊」と名前を変更」みたいに紹介されるのですが、なぜかプログラムは一貫して第3師団音楽隊です。

ロビーコンサートは木管と金管のアンサンブルが各2曲ずつ。
どちらもあまり調子が良ろしくなかったようで……。(^^;
ただ、わたしのまわりにいた高校生の集団は大絶賛の大喜びだったので、結果オーライ(死語?!)ということで。

昨年に続き、今年も吹奏楽作品中心のプログラムでした。
「天国の島」「南風のマーチ」は吹奏楽コンクールの課題曲。
非常に気を使って演奏されていた印象です。
参考演奏の意味あいもあるのでヘタを打てない、という気持ちがあったのかもしれませんね。(笑)
正直に白状すると「ロビーコンサートとはエライ違いだな」と思ってしまいました。
それぐらい、きっちりかっちりな音の印象でした。
「カラーズ」「ア・ウィークエンド・イン・ニューヨーク」「ソラス・アネ」が吹奏楽曲。
「カラーズ」は音楽隊のプログラムにも結構のりますが、「ソラス・アネ」はちょっと珍しいかな?
そういえば、昨年は「日本民謡による幻想曲」やりましたね。
S.ヘイゾがお好きなのかしら?
「ライド」や「ラッシュ」のようないかにも吹奏楽部の生徒さんが好きそうな曲じゃなくて、「ソラス・アネ」を持ってくるセンスに感心。
コンクールの課題曲をやらないなら「ライド」みたいな曲をやった方がいいとは思うのですが、今回は課題曲があるので、こういう曲がないと吹奏楽(管弦楽も)を聴きつけていない人には意外としんどいと思うので。
個人的には3音の定期、ずっとこういう方向で行けばいいのに……と思うのだけど、難しいかなぁ。

第3師団創立50周年記念曲の「絆と飛躍~第3師団の勇士~」をフェスタで聴いた際、「中間部で少し暗くなったものが段々と明るくなったりしているので、「3師団の50年とこれから」を表現しているのじゃないかなぁと思ったりしたのですが、どうでしょう?」と書いたのですが、当たらずも遠からじといったところでしょうか。
作曲をされた田野均氏の言葉によると「第3師団の活動」というテーマのもとに作曲をされたようですが、曲の構成(各部隊の様子→災害などによる脅威→喪失感からの復活、希望)や方向性(3師の活動紹介のBGMというイメージ)が「かけがえのない大地」と似た感じなので、「これまでとこれから」というテーマと印象と被るのは当然といえば当然です。
あと、フェスタで聴いたときに微妙にひっかかっていた物があったのですが、解説を見てようやくそれが何かわかりました。
「第3師団歌」がモチーフになっているのですね。
個人的に「第3師団歌」はパッと思いつく曲ではないものの、聞き覚えはあるものだからなんとなくひっかかっていたようです。
「かけがえのない大地」比べるとキャッチーな感じが薄いので、一般受けはどうかな? という感じです。
身も蓋もないことを言ってしまえば「かけがえのない大地」の良い所は「非常にわかりやすいメロディー」と「吹奏楽をやっている生徒や学生が好みそうな展開」という部分なので、そういう部分では「かけがえのない大地」の方に軍配があがるような気がします。
それともうひとつ。
創立記念曲なので「第3師団歌」を動機として用いるのは良いアイデアだと思うのですが、解説にある「隊員、一般の聴衆が親しめるように着意し」という意図もあっての動機なのだとしたら「その部分に関しては隊員はどもかく、一般聴衆の大半は多分親しみ感じてないと思う……よ?(^^;)」という気が。
と、なかなか厳しい評価ですが、実は「創立記念曲」としてはかなり良いできだと思います。
「創立記念曲」というのは本来は現役の隊員さん、元隊員さん、隊員ではないけれど第3師団を支えてきた方々のための曲です。
「第3師団歌」がすぐに思いうかばないわたしですらモチーフにひっかかったぐらいですので、「第3師団歌」をご存知の皆様にとっては本当に「親しめる」曲だと思います。
こうやって一般聴衆向けの演奏会のプログラムにのってはいますが、本当は3師にかかわってきたみなさま方のために演奏されるべき曲なのだと思います。
そういう意味では良い曲ですし、らっぱをとりこんだりなかなかおもしろい曲です。
こういう曲は自衛隊音楽隊員ならではといったところかもしれません。
3音の公式ページでこの曲に関する田野氏へのインタビューが公開されていますので、興味のある方は一度ご覧になってみてください。

アンコールは今期の大河ドラマの「江」のテーマがきました。
テレビで「江」のオープニングを見たときに「篤姫?!(^^;」と思ったのですが、スタッフロールの「音楽 吉俣良」の文字を見て納得。
「篤姫」と同じ方による曲です。
いくら同じ作曲家の作品とはいえ、メインのメロディーの導入が同じ形なのはよくNHKもOKしたなと思ったのですが、寧ろ「「篤姫」風でひとつ」ぐらいの頼まれ方をしたのかもしれませんね。
今期の演奏会には良くあがる曲になりそうです。
続いてのアンコールは「ドラゴンクエスト」。
この流れのプログラムのアンコールでドラクエが来るとは。(笑)
ドラクエやマリオは吹奏楽部でも結構演奏されているので、生徒さんたちへのサービスというところでしょうか。

ぴぎーさん的には隊長の棒がなかなかおもしろうございました。
1曲の中でも棒を使ったり使わなかったりという振り方をされるのですよ。
棒を使わないときでも身体の動きが非常に大きく、自衛隊音楽隊の指揮者としてはわりと珍しいタイプの指揮です。
一度、ちょっと佐渡裕氏のマネみたいな指揮をされる方を見たことがありますが、自衛隊に限らず音楽隊ではあまりこういうタイプの指揮者はみかけませんね。
指揮、誰に師事したのだろう? と気になってプロフィールを見たら、斉田好男、辻井清幸の両氏になっていました。
……納得するようなしないような。(笑)


第3音楽隊:今月のPickUp
http://www.mod.go.jp/gsdf/mae/3d/3band/PickUp.html




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