号笛


号笛です。
随分以前にどこかの海自基地売店で買ったものです。
以前は自衛官でなくても買えるおみやげ品以外の物が結構ありました。

サイドパイプとかボースンコールとか呼笛という呼ばれ方もしますが、自衛隊では「号笛」と呼びます。
制式なものは「号笛甲」と呼ぶらしいので、わざわざ「甲」とつけているからには「乙」もあるのか? とか思ったりするぴぎーさんです。
機会があったら質問したいと思いつつも、見学者が「号笛甲」という呼び名を口にだすのはヲタクくさくてイヤらしいかなと思ってしまいなかなか質問できません。
体験航海中の艦上イベントで「掌帆結び」というロープワークを教えていただいた際に、「どういう場所に使う結び方ですか?」と尋ねたら、首にかけていた「号笛」を見せてくださったので、「ボースン(コール)だけに掌帆(結び)ってか?」と心の中で一人で受けていたことはナイショです。

体験航海や一般公開に行くと甲高い「ピィー」といった音を耳にすると思いますが、あの音の正体がこれです。
吹き方によっていろいろな意味があります。
片手に隠れるような小さなものですが、うまく吹くのは難しかったりします。
丸い部分に穴が開いているので、丸い部分を持った手を閉じたり開いたりすることで音がかわります。
子供のおもちゃにもあるbのような形をしたホイッスルは中に玉が入っているので、適当に息を吹き込むだけでも音がでてくれるのですが、これは玉がないので吹き手ががんばらないといけません。
勢いよく吹けばとりあえず音はでるのですが、音の吹きわけをするには息使いとかいろいろ体得しないとどうにもこうにも……。
どうやら8種類の音を吹き分けなきゃいけないらしいのですが、そんなに吹き分けでき~んっ!ヽ(`Д´)丿
こういった吹き手の技能で出せる音がかわってくるのはらっぱと同じですね。

艦艇にエライ人の出入りがあるときに吹かれているのをご覧になったことがある方も多いと思います。
見ていると、エライ人が階段に足をかけた瞬間から階段から足が離れるまで号笛が吹かれているのがわかるかと思います。
おもちゃのホイッスルで結構ですので、一度同じぐらいの時間吹き続けてみてください。

……
………
死にそうでしょう?(笑)
単純な構造の笛ですが、いろいろと難しい楽器です。

さて、最後にこの号笛が効果的に使われている曲をご紹介しておきます。
まずは岩下章二作曲の「出航」。
号笛に続いて出港らっぱが鳴り響いたあと音楽が始まります。
作曲の岩下章二氏は元佐世保音楽隊の隊長さんです。
もう一つは河邊一彦作曲の「遥かな海へ」。
こちらは現東京音楽隊隊長による作曲です。
風と波の音の中号笛が響き渡り、艦艇が海へ進みでていくといった描写が途中にあります。
「出航」は現時点で入手可能な音源が2種類あるのですが、片方は10枚組の全集なのでちょっと……。(^^;
なのでキングレコード「日本のマーチ・ベスト(戦後編)」(KICW 3012)をお勧めしておきます。
「遥かな海へ」の方へは残念ながらまだ音源はありません。
非売品の物ならありそうな気がしないでもないのですが、とりあえず市販品は現時点ではありません。
せめて合同コンサートの音源配信とかがあれば良いのですけれど。
こちらの方はぜひ東京音楽隊の演奏会に足を運んでお聞きになってくださいね。




| 閑話 | 04:01 PM | comments (2) | trackback (x) |


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コメント

「号笛,乙」は所謂「ホイッスル」のことですよ。

| 両舷直 | EMAIL | URL | 2012/01/14 11:05 PM | CYiG.iBQ |

>両舷直さま

教えてくださってありがとうございます。
やっぱり「号笛,乙」という名称はあるんですね。
「甲」と付けられているのは伊達じゃないということがわかってすっきりしました。
本当にありがとうございました。

これからはホイッスルが目に入ったら、心の中で「乙」と呼ぶことにしますね。<普通に「ホイッスル」と呼んどきなはれ。

| ぴぎー | EMAIL | URL | 2012/01/14 11:28 PM | o0LFWahI |

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