航空自衛隊奈良基地が「隊飯体験」といことで、自衛隊のごはんの喫食体験付きの資料館見学を開催しました。
奈良基地の教育講堂「松林苑」には航空自衛隊関連の資料や日本軍ゆかりの品が収蔵されています。
真珠湾攻撃の空襲部隊を指揮した淵田美津雄中佐(当時)のゆかりの品が納められているので、真珠湾攻撃70周年記念の昨年は取材申込みが多かったそうです。
そこで「せっかくなので一般の人にも見てもらおう!」ということになり、今回の企画となったようです。
松林苑は普段は事前申込みをしないと見学できませんが、基地祭の際などには見学できます。
ただ基地祭のときだと人は多いし、しかも「興味ないけどせっかくここまで来たんで一応入ってみたんですが、やっぱり興味ないですーw」みたいな人が必ずいるので落ち着いてみられません。
これはチャ~ンス!
松林苑、加藤建夫中佐(当時)ゆかりの品もあるんですよね。
「隊飯体験」の告知がでる前日に父が未整理の古い写真を仕分けていたら絵葉書ぽい加藤少将(亡くなったあとなので少将です)の写真がでてきたので、「なんで加藤建夫?」と疑問に思ったところでした。
このタイミングで松林苑見学の案内がでたというのは、これはもうわたしに奈良基地行けってことね、と勝手に解釈して奈良基地まで出かけてきました。
松林苑の資料は3つの教室に別れていて、小さめの教室の2つには、航空自衛隊と奈良基地に関する展示、大きめの教室には日本軍ゆかりの品が展示されています。
今回一緒に参加したのは女性防衛モニターの同期だったのですが、彼女は案内係りの広報の人ではなくわたしに質問をしてきます。
「本職いるんだから、本職に聞け、本職に」
「いやだって、おつきに聞いた方がいいやん?」
「誰がおつきやねん」
「F-86FのFって、前と後同じ意味?」
「前は飛行機の種別だよ。FはFighterのFで戦闘機、Tは……」
という会話を我々しかいない教室でしていたら、ちょうど広報の方がやってきて、「詳しいですね」と言われてしまいました。
しまった……ヲタクの片鱗見られちゃったよ。(;´д`)
外ではイランことは言わないようにしてるのに。
今回の見学の目玉は前述のとおり、淵田美津雄中佐ゆかりの品です。
淵田中佐は奈良葛城の出身の方なので、ここ奈良基地にゆかりの品が寄贈されているようです。
真珠湾攻撃成功を伝えた「トラトラトラ」という有名な無線は淵田中佐の搭乗する機から打電されたものです。
「トラトラトラ(ワレ奇襲ニ成功セリ)」はあまりにも有名ですが、淵田美津雄の名をご存知でない方は多いことと思います。
上の写真はその打電された暗号を文章におこしたもののコピーです。
右が「新高山登レ」、左が「奇襲成功セリ」です。
真ん中は「敵主力艦二隻轟沈」で始まる戦果報告です。
左の写真は「トラトラトラ」の部分を切り出したものです。
「艦橋届済」の判が押してあります。
普通の事務仕事でも適正な処理が済んだ書類に済み印を押しますが、そのあたりは軍隊も一緒ですね。
「奇襲成功セリ〇三二二」は指揮官機からのこの無線の発信時間です。
実はこの「〇三二二」の意味を友人が尋ねたて、広報の人、こういう話に詳しい人が「時間?」「時間だとおかしくないか?」「いや時差があるからこれぐらいじゃないか」と一騒動に。
わたし? ごめん、離れたところの展示物見てました。いやだって、混じったら確実にミリヲタ認定受けそうだし……。(^^;
おこした本文の横に暗号略号も書いてあります。
ト(・・ ― ・・)ラ(・・・)・トラ・トラ。
こういう場合、モールスの符号まで書くのですね。
ちょっとびっくり。
「ラ(・・・)」と書かれていたものを見て、父と無線の話をしていたときにわたしが「SOS(・・・ --- ・・・)」と机を叩いたら、父が「・・・はラ」と言ったことを思い出しました。
父は無線兵の教育を受けているのでこれ見せてやりたかったかも……と思ってしまいました。
ただ父は陸なんですけどね。(笑)
そしてわたしの今回の目的である加藤建夫中佐。
加藤建夫という名は知らなくても「加藤隼戦闘隊」名は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
「エンジンの音轟々と」で始まる歌でお馴染みの「加藤隼戦闘隊」の隊長が加藤中佐です。
加藤中佐ゆかりの品は丘珠駐屯地の資料館に多く収蔵されているのですが、ここ松林苑にも加藤中佐の服と帽子が収蔵されています。
どういう経緯で加藤中佐の遺品が奈良基地に寄贈されたのか尋ねたら、「では次はそれを企画します。加藤中佐の映画の上映つきで。
ぜひ来てください」と言われました。
1回に参加できる人数限られてるのに、またわたしが参加しっちゃっていいのでしょうか?(^^;
でも質問に対する答えがそれだしなぁ……行っちゃいますよ?
見学のあとは「隊飯」のカレーで昼食です。
友人は最初はこっちが目当てだったそうです。
わたしはわりとどーでも良かったりするのですが。(^^;
普段は自衛隊ごはんに興味津々なくせになんでだ? って感じでしょう?
だってカレーだし……。
うまい自衛隊ごはん=カレーだと思ってる人も多いようですが、わたしの中ではむしろは当たり外れの大きい自衛隊ごはんなんですよね。
カレーって自衛隊は関係ない場合でも外れたら悲しくないですか?
わたしは悲しい……というか切なくなってきますw
食堂や艦艇内で作るものと野外炊具や炊事車で作るものでは調理条件も全然違いますし、カレーはなかなかギャンブルだと思うぴぎーさんです。
どんなごはんだったかは、こちらでどうぞ。
今回はもともと人数が少ない上に、わたしと友人の2人はバスのダイヤの都合で早めに到着したこともあって、つきっきりで説明していただくことも再々でした。
奈良まで行ったかいがありました。
友人は1つ1つの展示物をじっくり見るので松林苑見学は時間がたりなかったようで少々不完全燃焼気味ですが、普通の人なら十分見学できる時間だと思います。
時間不足で展示物を全部見ることができなかった友人と、加藤中佐ゆかりの品の謎を抱えたままのわたしは次回の見学会(があれば)、再度参加かな?(笑)